回避依存症とは人と接して傷つくことを恐れるあまり、必要以上に人と深い関係になることを避けたり、傷つきそうになったら攻撃的になりシャットアウトしてしまったりするという心理状態のことを言います。

回避依存になると人との接触を回避する一方でその孤独により寂しさを感じてしまうという葛藤があります。

今回は回避依存症の直し方、回避依存症の人は愛情表現が下手なのか、回避依存症の末路はどうなるのかなどを紹介していきます。

回避依存症の治し方は?

そもそも「回避依存症」は医学的に病気として認識されているものではありません。

そのため薬や治療で治すという形ではなくメンタル的なアプローチをして治していくということになります。

それでは回避依存症にはどのような治し方があるのでしょうか。

回避依存症の治し方①

回避依存症の治し方には「自分が回避依存症であるということを理解する」というものがあります。

先ほども伝えたように、回避依存症は病気という認定はされていませんので、はっきりとした診断が出ることは少ないのです。

また、自分自身も「人との付き合い方が難しい」と思っている程度で、「これは回避依存症だ」と断定することは難しいかもしれません。

自分自身が「傷つくことが異常に怖い」「人に干渉されるのが異常に不快」「人に指図されず自分の思い通りにしたい」などの思いがあり人間関係は難しいと思っているのであれば回避依存症であることを疑ってみたほうがいいかもしれません。

たとえば少し前に話題になったHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)というものがあります。

これは「非常に感受性が強く敏感な気質をもった人」「非常に繊細な人」というような意味です。

これも「今まで生きにくいと感じていたけれども自分がHSPということを知って安心した」という人がたくさんいます。

まずは自分が回避依存症であるということを認めるのが治し方のひとつです。

また、回避依存症は過去の経験に原因があることが多いのです。

どのような経験で人と深いかかわりをもつことが嫌になったのか、人を信じることが嫌になったのか、つらいかもれませんが過去と向き合ってみましょう。

それによって今まで持っていた違和感がやわらぐかもしれません。

回避依存症の治し方②

回避依存症の治し方のひとつに「自分を優先し、大切にする」というものがあります。

回避依存症の方は、人との接し方を気にするあまり、自分のことを後回しにしがちになってしまうこともあります。

まずは人のことを気にせず自分のことを優先してみましょう。

趣味の時間を増やす、好きな場所に行くなどのように自分の時間を充実したものにしてみましょう。

まずは自分を大切にする時間をたくさん取ることで自分に自信をもつことができます。

回避依存症は自分に自信がないことで起こることもあります。

自分に自信をもつために自分を優先するということが治し方のひとつです。

回避依存症の治し方③

回避依存症の治し方のひとつに「なんでも相談できる相手を作る」というものがあります。

回避依存症の特性からして矛盾した治し方のように聞こえますが、効果的です。

そもそも「相手に嫌われるのが怖い」「裏切られるのがこわい」「深い関係になるのがこわい」と思ってしまう回避依存症ですがその中で「この人だけは自分を裏切らない」と信用できる人物がいるのは一筋の光になります。

家族でもいいですし長い付き合いのある友人でもいいでしょう。

まずは自分が回避依存症であることをあらかじめ説明し、見守ってもらうことが大切です。

家族や友人にそのような人が見つけられずこの治し方ができないという方は、カウンセラーに頼ってみてもいいかもしれません。

自分をさらけ出せる相手がいるということは回避依存症の克服につながります。

自分の気持ちをなんでも伝えられる相手を作るということが治し方のひとつです。

回避依存症の人は愛情表現が下手?

回避依存症の人はその症状の特徴から恋愛が苦手なように感じますが実はそうではありません。

人と深くかかわるのをおそれる一方で浅い関係やドライな関係は好むため、友達以上恋人未満というような付き合いはたくさんできます。

そのため「次々と恋人が変わる」という特徴を持つ人は回避依存症の可能性があるのです。

付き合う前はきちんと愛情表現をして積極的にアプローチするものの、付き合ってしまうとその逆で冷たくなるという人が多いのです。

そのため「回避依存症の恋人の愛情表現が少ない」「愛情表現がわかりにくい」という声も多いのです。

そんな回避依存症の人たちの、付き合ってからの愛情表現はわかりにくいながらもきちんとされています。

では、回避依存症の人の愛情表現にはどのようなものがあるのでしょうか。

愛情表現①

回避依存症の人の愛情表現に「急に連絡が来る」というものがあります。

回避依存症の人は基本的に自分のペースを人に乱されたくないと思っています。

LINEやメールの返事なども相手のタイミングに合わせるのではなく自分のタイミングでしたいと思っているのです。

そのため普段返信はあまりしないけれども自分が連絡したいときにはするということになるのです。

回避依存症の恋人から特に用事もないのに急に連絡が来た場合はそれも「愛情表現」として受け取りましょう。

回避依存症の相手の場合は行動を制限させたり強制させたりすることが絶対にないようにしましょう。

愛情表現②

回避依存症の人の愛情表現に「自分の話を積極的にする」というものがあります。

回避依存症の人は相手に自分をさらけ出すことをおそれます。

自分自身の考え方を話す、会社で起こったことを話す、近況報告をする、といったように自分のプライベートな話をしてくれるのは回避依存症の人の愛情表現であることが多いのです。

「好き」や「愛している」などのはっきりとした愛情表現が少ないのが回避依存症の人の特徴ですが、上記のように話をしてくれる場合はきちんと愛情表現をしてくれていると受け取ってよさそうです。

愛情表現③

回避依存症の人の愛情表現に「好きということを認める」「恋人ということを認める」というものがあります。

回避依存症の人は自己開示が苦手なため、好きということや恋人だということはなるべきはっきり認めないようにする傾向があります。

しかしそんな中で「私(俺)のこと好き?」「私(俺)たちって恋人同士だよね?」と聞いてはっきりそうだと答えてくれるのは回避依存症の人の愛情表現です。

回避依存症の人の恋人は「愛情表現をしてもらえない」ということで不安になる人が多くいます。

しかし、実は回避依存症の人も、普通の人よりはわかりにくいですがきちんと愛情表現をしているのです。

上記で紹介した愛情表現のほかに自分の恋人の様子をよく観察して彼(彼女)なりの愛情表現を探してみましょう。

「誰でもわかる愛情表現」ではなく「自分にしかわからない愛情表現」を発見することでさらにその愛情表現がいとおしくなるかもしれませんよ。

回避依存症の恋人は愛情表現が「ない」のではなく「苦手」なのだということを理解しましょう。

回避依存症の末路はどうなる!?

回避依存症は様々な心の問題を抱えます。

では回避依存症になってしまうとどのような末路を迎えるのでしょうか。

悲しい末路をたどるような想像をしてしまいがちですが、回避依存症の人がすべてそのような末路を迎えるわけではありません。

素晴らしいパートナーに出会い、回避依存症であることも含めすべてを受け入れてもらえる可能性があります。

すべてを受け入れてもらえることで、少しずつ回避依存症を克服していける可能性もあります。

しかし、回避依存症を甘く見ていると悲しい末路を迎えることが多いのも事実です。

というのも、回避依存症の人は人との深い付き合いを恐れ避ける可能性があるので浮気性な人が多いのです。

せっかく恋人ができても浮気を繰り返し、パートナーが去って行ってしまうことも多いのです。

最初に述べたように素晴らしいパートナーと出会い悲しい末路をたどることを回避できることももちろんありますが、そのような人は決して多くはありません。

回避依存症の人は人との深い付き合いを避ける一方で物は絶対に裏切らないため、買い物に依存をしたり趣味に没頭し過ぎたりする可能性があるのです。

浮気性で、趣味に浪費をし、そして愛情表現もあまりしてくれない人をすべて受け入れることができる人は本当にまれです。

最終的に周りに誰もいなくなってしまったという末路をたどる可能性が高いのです。

回避依存症の人は人との深い付き合いを避ける一方で寂しがりであることも多く、このように周囲に誰もいなくなってしまうと悪循環になるのです。

また、そのような悪循環からアルコール依存やギャンブル依存という末路をたどる可能性もあります。

このような末路をたどる可能性を考えたら、やはり回避依存症だということを早期に発見し、治し方を見つけ治す努力をする可能性があります。
自分に少しでも回避依存症の症状で当てはまる部分があれば原因を分析し、治す努力をしたほうがよいですね。

【まとめ】回避依存症の恋人と付き合う場合は無理に追わないこと!

いかがでしょうか。

回避依存症の直し方、回避依存症の人は愛情表現が下手なのか、回避依存症の末路はどうなるのかなどを紹介してきました。

繰り返しになりますが回避依存症は病気ではありません。

しかし、放置をしていると悲しい末路を迎える可能性があります。

回避依存症の特徴をチェックし多く当てはまるようであれば対策を取りましょう。

逆に、回避依存症の人とお付き合いをするのであれば、特徴をしっかり理解し、無理に追うというような逆効果な対応を取らないように気を付けましょう。

自分自身が回避依存症の場合も恋人が回避依存症の場合も正しい対応を知っておくことで結末を変えることができるかもしれません。

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